借金取りに捕らわれて
昨日はあんなに取り乱してしまったけれど、ぐっすり眠ったら結構落ち着いた。


もう取り乱したりはしない。


我ながら凄い性格だ。


まあ、落ち着いたと言っても…






「思い出してしまうと震えそうなくらい怖くなりますけど…
秋庭さんが…側にいてくれたから、思ったほど大丈夫って言うか…
辛くないです。」



「そうか。」



柔らかい笑みを浮かべた秋庭さんは私の頭をポンポンと撫で、それが余計に私の居心地を悪くする。




「あ、あの!昨日は本当にありがとうございました。何度お礼を言っても足りないくらいで…」




必死にお礼を言う私に、何か思いついたようで秋庭さんは明らかに良からぬことを企んでいる笑顔を向けた。




この笑みは…




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