借金取りに捕らわれて
「そう言えば、何かお礼してくれるって言ったよな?」




「言いましたけど…」




この言い方なんだか裏を感じる…




「何がいいかな~」




私から命の恩人に言えた口じゃないけど…

どうか!どう~か!お手柔らか目でお願いします!




腕組みをして考え込んでいる秋庭さんに心の中でお願いしてみるが、きっと効果は見込めないだろう…






「そうだな~今日の夜デートしよう。」


「デートですか!?」




あの企むような笑み…

もっと凄いこと言われると思ってたんだけど…

私の願いが通じた?

お礼、そんなんでいいんですか?

いやいや待て私!

命の恩人のお礼としてはかなり安いけど、これ以上秋庭さんに深入りしたくない私にとっては結構な難問ですよ!

これ以上好きになったらどうするのよ!




「ならしょうがない。お礼はキスで…」



「行きます!行かせて頂きます!」



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