借金取りに捕らわれて
クローゼットとの格闘の末着て行く服も決まり、少し早いが準備をしようと思っていた矢先のこと。
『ピンポーン』
誰だろ?
チャイムが鳴り玄関へと急ぐ。
除き穴の向こうに見た顔は、最後に見た時と比べてかなり日焼けをして若干体つきもよくなっていたが、よくよく知った人物だった。
ドアを開ければそこに、片手を上げぎこちなく笑う真吾が立っていた。
「ヒロ姉久しぶり。」
「あんた、よく私の前にのこのこ顔出せたわね。」
借金を私に押し付けていった張本人にして、私の愚弟に沸々と怒りが込み上げてくるのを必死で抑えるが、凄い顔になっているのは真吾の反応を見れば分かる。
「ヒロ姉には何と言ったら良いか…
本当に!申し訳ない!」
勢いよく頭を下げ、そのまま顔を上げない真吾に私は深い溜め息で返した。
「取り敢えず上がって。」
真吾は正座をして体を縮こまらせていた。
そんな姿を見ていると、だんだん怒る気力が無くなってくる。
前々から思っていたのだけれど、もしかしたら自分が思う以上に弟に過保護なのかもしれない…
「それで?ただ謝りにきたの?」
「これ…」
テーブルに置かれたのは分厚い茶封筒だった。
『ピンポーン』
誰だろ?
チャイムが鳴り玄関へと急ぐ。
除き穴の向こうに見た顔は、最後に見た時と比べてかなり日焼けをして若干体つきもよくなっていたが、よくよく知った人物だった。
ドアを開ければそこに、片手を上げぎこちなく笑う真吾が立っていた。
「ヒロ姉久しぶり。」
「あんた、よく私の前にのこのこ顔出せたわね。」
借金を私に押し付けていった張本人にして、私の愚弟に沸々と怒りが込み上げてくるのを必死で抑えるが、凄い顔になっているのは真吾の反応を見れば分かる。
「ヒロ姉には何と言ったら良いか…
本当に!申し訳ない!」
勢いよく頭を下げ、そのまま顔を上げない真吾に私は深い溜め息で返した。
「取り敢えず上がって。」
真吾は正座をして体を縮こまらせていた。
そんな姿を見ていると、だんだん怒る気力が無くなってくる。
前々から思っていたのだけれど、もしかしたら自分が思う以上に弟に過保護なのかもしれない…
「それで?ただ謝りにきたの?」
「これ…」
テーブルに置かれたのは分厚い茶封筒だった。