借金取りに捕らわれて
私は秋庭さんの顔が見れず、彼から視線を外し話を続けた。




「その時は悲くて…何で、ってずっと思ってました…

あの時は真希に凄く迷惑かけて。」





あの落ち込みようを思い出すと自嘲気味にアハハと自然と笑い声が漏れた。





「一晩中一緒にお酒飲んだり、カラオケ行ったり…

一つ救いだったのは、婚約破棄されたのが親に紹介する前だったことです。

二人とも忙しい人達だから本当良かった。

親を喜ばせておいて2ヶ月後に結婚無くなりましたとか、どんだけの親不孝をしかけたか…」






秋庭さんはたまに相槌をうち、ただ私の話をじっと聞いていてくれていた。




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