借金取りに捕らわれて
「友人としては好きだったけど、異性として好きだったわけじゃない。

今なら良く分かります。

だから、婚約破棄された時、凄くショックだったのに、裏切られたと思ったのに、泣く程傷ついたはずなのに、彼に対して未練はなかった…

私、気付いたんです。

これは彼の真剣な気持ちにいい加減な気持ちで答えた…嘘をついた…私への罰なんだと。

それから、真希に強引に男性を紹介されたけど、いい加減な気持ちで付き合ったらまた罰が下ると思って付き合えなかった。

だから、好き"かも"と思ってる間は誰とも付き合わないと決めたんです。」




私は視線を上げ秋庭さんに笑い掛けた。




「なんて、ここまで言っておいてなんですけど、実はそれは私の甘えなんです。」







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