借金取りに捕らわれて
「好き"かも"しれないから?」


「秋庭さんのことが本当に好きだから。」




私は真っ直ぐ秋庭さんを見て、初めて本当の気持ちを伝えた。




今目の前にいるこの人に、いつの間にか引かれてて、好きかもが好きに変わって…

もう引き返せなくなってた。



「だから、もう諦めて下さい。」



秋庭さんから逃れるように握られていた手を引くと、それを追ってきた手にさらに強く捕まえられてしまった。



「そんな泣きそうな顔で言われても、説得力ないからな。」


「えっ…」


強く捕まれた手以上に、秋庭さんの真剣な眼差しに私は強く捕らえられた。



「このままでいいのか?このまま、傷つかないために自分を押さえつけて、それでヒロは幸せなのか?」


「私は…傷つかないことが幸せです。」


「一歩踏み出せばもっと幸せになれるかもしれないのに?」


「それでも…もう傷つきたくないんです。」


「俺はヒロを傷つけると思うか?」




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