借金取りに捕らわれて

秋庭さんが私を…




秋庭さんと出会ってからのことを振り替えってみれば、秋庭さんはいつも私を守ってくれた。

強引だけど、とても優しい人だ。

私を傷つるような人じゃない。





分かってる。

頭では分かってるのにそれでも不安になるの。

問題なのは…



私は小さく首を振った。




「これは私の心の問題なんです。
どんなに優しい人でもどんなに好きな人でも無理なんです。」


「なら…ヒロ、俺とリハビリしないか？」


「リハビリ？」



意外な言葉にキョトンとする私に秋庭さんは続ける。



「ヒロは心に大きなケガを追った。でもそのケガは治ってもう歩けるのにまたケガをするかもしれないと怖れて歩こうとしない。俺はヒロがまた歩ける手伝いをしたい。」


「つまり？」


「つまり"仮"で付き合う。」


「"仮"ですか？」