借金取りに捕らわれて
「菖蒲さんが…」



あの時、武寅さんに急かされるまま慌ただしく出てきちゃったもんな~



「ちゃんとお礼も言えなかったから、また近いうちに行きたいなとは思ってたんです。」



幻の銘酒も飲みたいしね。



「それなら、この後行ってみるか?」


「えっ!良いんですか!?」


「ああ、ここからなら直ぐだしな。」


「行きたいです!」



今にもイスから立ち上がりそうな私に秋庭さんはクスリと笑って、またグラスにワインを注いでくれた。



「あそこ、もつ煮込みがお勧めなんだ。」


「私もつ煮込み好きです。」


私達はそれから他愛ない会話に花を咲かしつつ、料理とワインを堪能した。









< 318 / 354 >

この作品をシェア

pagetop