借金取りに捕らわれて
外の風は気持ちよく、酔い醒ましというよりも眠気を誘ってくる。
秋庭さんに抱きつきながらうとうとと現実と夢の間を漂っていると、二人の話し声が聞こえてきた。
「俺は決めた。
隼人、お前どうすんだよ?」
一人は武寅さんの声。
「どうするって何をだ?」
もう一人は秋庭さんの声だ。
「このまま借金取り続けんのかって聞いてんだよ。」
「辞めるわけないだろ。」
「爺さんの後継ぐつもりないのか?爺さんはそのつもりでお前を…」
「爺さん的にはあわよくばってのはあるだろうな。けど、それは関係なく自分のことは自分で決めろってさ。俺はこのままで良いと思ってる。」
「隼人…周りがこのままにしておいてくれるわけねーだろ。」
「………」
秋庭さんは黙り混んでしまったが、武寅さんは次の言葉を待ってそれ以上自分からは何も言わなかった。
「マサが来た。この話はここまでだ。」
「おい!隼人!」
「そうだ、今度うちに顔出せよ。美味い酒が手に入ったんだ。」
「お、おう…」
「じゃあまたな。」
「……ああ、またな。」
二人の会話は武寅さんの嬉しそうな声で締め括られた。
そして現実と夢の間を漂っていた私は、夢の世界へと沈んでいった。
秋庭さんに抱きつきながらうとうとと現実と夢の間を漂っていると、二人の話し声が聞こえてきた。
「俺は決めた。
隼人、お前どうすんだよ?」
一人は武寅さんの声。
「どうするって何をだ?」
もう一人は秋庭さんの声だ。
「このまま借金取り続けんのかって聞いてんだよ。」
「辞めるわけないだろ。」
「爺さんの後継ぐつもりないのか?爺さんはそのつもりでお前を…」
「爺さん的にはあわよくばってのはあるだろうな。けど、それは関係なく自分のことは自分で決めろってさ。俺はこのままで良いと思ってる。」
「隼人…周りがこのままにしておいてくれるわけねーだろ。」
「………」
秋庭さんは黙り混んでしまったが、武寅さんは次の言葉を待ってそれ以上自分からは何も言わなかった。
「マサが来た。この話はここまでだ。」
「おい!隼人!」
「そうだ、今度うちに顔出せよ。美味い酒が手に入ったんだ。」
「お、おう…」
「じゃあまたな。」
「……ああ、またな。」
二人の会話は武寅さんの嬉しそうな声で締め括られた。
そして現実と夢の間を漂っていた私は、夢の世界へと沈んでいった。