借金取りに捕らわれて
急いで部屋へ行き、タンスの奥に入れておいた茶封筒を手に戻った。



「あの、これ…」



私はそれを秋庭さんに手渡した。



「中確認して下さい。
昼間、弟が来て置いていったんです。私も確認しましたけど、これで全部返済になると思います。」


「マサ。」


秋庭さんは近くに控えていたマサさんにそれを渡し数えさせた。


「確か、マグロ業に行ってたんだったな。弟君元気だったか?」


「はい、結構体格良くなっていて前より健康的に見えました。」


「次はナマコ漁だって?」


「?」


ナマコ漁?真吾何も言ってなかったけど…


ん?


何でナマコ漁?




キョトンとした顔をしていたからだと思う。「もしかして聞いてないのか?」と秋庭さんが訝しげに聞いた。




「はい。」


「じゃあ新しく…」


「隼人さん、四百あります。利息を計算しても十分です。」


秋庭さんが何か言おうとしたところでマサさんが声を掛けた。




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