借金取りに捕らわれて
てか、何でわざわざ私の所にお金持ってきたのよ!お金借りる時に一緒に…



『本当にごめん!』



今思えば…

なんか態度おかしかったし…

あのごめんは "今まで迷惑を掛けてごめん" のごめんじゃなくて、また借金したから "これからも迷惑掛けるけどごめん" のごめんか!

それを言うためにお金を口実にわざわざ来たのね…

律儀なのか、アホなのか…

あれ?ってことは…





「私と秋庭さん…まだ負債者と借金取りの関係ってことですか?」


「そういうことだな。」


「あの~
やっぱり仮で付き合うの…借金全額返済してからじゃあ…ダメ…でしょうか…?」



上目遣いに見上げた秋庭さんは明らかに不機嫌だ。



「ダメに決まってるだろ。」



そう言うと膝裏に腕を回され、あっと言う間に横抱きにされてしまう。



「えっ!?ちょっ!秋庭さん!?」



急にどうしたのかと秋庭さんを見れば、何かを企んでいそうな瞳と目が合った。



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