借金取りに捕らわれて
おまけ② 誰に似たのか
「もう行くの?まだ来たばかりなのに。」
靴を履く母の、ついさっきも見たような後ろ姿に声を掛けた。
「元気にやってるか顔見に来ただけだもの。」
一年の大半を海外で過ごす母がこっちで仕事があるからと仕事の合間を縫って会いに来てくれたのはほんの30分前。
言葉通り"本当に顔を見に来た"だけあって短い滞在時間だった。
「そのうち彼氏さんに会わせてね。」
「うっ…うん、そのうちね。」
ちょっと返事を濁せば、目をすがめてじとりと心の底の底まで見透かすような視線を向けてくる。
「な~に?お母さんに会わせたくないの?」
「いや、そういうわけじゃなくて!あの人忙しいんだよ!」
なんて言ったものの、お母さんと会わせたいなんて言ったらどんなに忙しくても喜んで飛んで来そうだけど…
一般論的に女性からそんなこと言ったら他意はなくてもなんだか意味深じゃない?
しかも仮で付き合ったばかりだし…
だから言いずらいってのもあるんだけど…会わせるなら私が借金を返し終わってからがいい。
「まぁいいわ。変な人じゃなさそうだし。」
靴を履く母の、ついさっきも見たような後ろ姿に声を掛けた。
「元気にやってるか顔見に来ただけだもの。」
一年の大半を海外で過ごす母がこっちで仕事があるからと仕事の合間を縫って会いに来てくれたのはほんの30分前。
言葉通り"本当に顔を見に来た"だけあって短い滞在時間だった。
「そのうち彼氏さんに会わせてね。」
「うっ…うん、そのうちね。」
ちょっと返事を濁せば、目をすがめてじとりと心の底の底まで見透かすような視線を向けてくる。
「な~に?お母さんに会わせたくないの?」
「いや、そういうわけじゃなくて!あの人忙しいんだよ!」
なんて言ったものの、お母さんと会わせたいなんて言ったらどんなに忙しくても喜んで飛んで来そうだけど…
一般論的に女性からそんなこと言ったら他意はなくてもなんだか意味深じゃない?
しかも仮で付き合ったばかりだし…
だから言いずらいってのもあるんだけど…会わせるなら私が借金を返し終わってからがいい。
「まぁいいわ。変な人じゃなさそうだし。」