借金取りに捕らわれて
おまけ③ その後の二人
始めから、酔うとどうなるか話しておけばよかったのか…

森乃泉を我慢すれば良かったのか…

でも、幻の銘酒を前にして飲まない選択肢はなかったし…

なんにしろ、この状況はマズい…



「あの…秋庭さん…どいてもらってもいいですか?」


困り果てて、今の私には強ばった笑みを浮かべるのでやっとだった。


「ダメに決まってるだろ。それに、言っただろ?
俺に捕らわれたら二度と逃げられないっていうことを教えてやるって。ヒロの体にちゃんと分からせるまではどくつもりはない。」


ベッドに押し倒され、その上から覆い被さられているものだから身動きが全く取れないでいる現在。


秋庭さんの広い胸を押し返す両手も、捕まれてなんの意味もない有り様。


「それから…武に抱き付いたお仕置きもしないとな。」


お仕置き!?


さっきは言わなかっただけで、やっぱり怒ってたんですね…


「あ、あれは、なんと言いますか、業とじゃないんですよ!酔ってしまうと抱きつきたくなってしまうんです。」


「それで?」


怖いー

秋庭さん…微笑んでいるのに、目が笑ってない…


「それで…正常じゃなかったんですから、しょうがなくないですか?」


「ふ~ん、ヒロはそう思うんだ。」



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