借金取りに捕らわれて
「ジュリエットってお店です。」



「ジュリエット!?」



彼はなぜか店の名前を聞いて驚いた後、怪訝そうな顔をした。



「お前、あの店が何の店か知ってるのか?」



「知ってますけど。それがどうかしましたか?」



「どうかって…」



あっさり答えた私に彼は半分呆れてるような、半分本気で言ってるのか疑うような目を向ける。



「止めておけ。」



「どうしてですか?」



立ち止まり今度は私が怪訝な視線を秋庭さんに向けると、彼は当たり前の事を聞くなとでも言いたげに口を開いた。



「酔った客に体触られたりすることもあるんだぞ?
お前が俺以外の他の男に触れられとこなんて見てられるか。」



「な、なな…」



またこの人は…



独占欲が強すぎる…



だけど、どうして私はそんな秋庭さんの言葉にまで、簡単にキュンとしてしまうんだろう…



本当困る…

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