借金取りに捕らわれて
「もしかして昨日連絡くれた子かい?」



「はい。柏木浩都と申します。よろしくお願いします。」



「あんたが連れて来たなら雇ってもいいけど………」



その人はそう言った後、口をつぐんで下から上まで値踏みするように私を眺めだした。



「厨房じゃもったいないね~
こんな良い上物どうしたんだい?」



上物って!?



「だろ?」



また秋庭さんはそう言って、凄く言い玩具を見せびらかす子供みたいに自慢げに微笑んでいた。



< 89 / 354 >

この作品をシェア

pagetop