借金取りに捕らわれて
「………。」



爺さんに似たのだろうと思ったが、その答えを蓮さんも分かっていて言ったのだろうから俺は敢えて何も言わなかった。



「拓海が来てた。」



蓮さんは前置きなく本題に入った。



「それで、拓海さんはなんと?」




刑事がわざわざここまで足を運んだのにはそれなりの理由があるはずだ。



俺は少しばかり嫌な予感がした。



「早瀬が逃げたそうだ。」



早瀬が!?
あの案件はとっくに終わったと思っていた…
警察は何やってんだ…



だが、俺はその言葉を飲み込んだ。



「………厄介な事になりましたね。」



その言葉に蓮さんはフフフッと笑った。




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