神人~禁断の地~
部屋の出口は一つしかないはず。扉の前にはバースがいたから、出て来ていない事は確かだ。
「!」
床にケリーのものと思われる血痕があった。ケリーは引きずられたのか、血痕が伸びている。そしてその先は、一枚の鏡。
バースが静かに鏡に触れると、鏡は水面に石を落としたように波紋を描いた。
「……」
バースはゆっくり鏡に手を触れる。すると、バースの手が吸い込まれるように鏡の中に入っていく。
「この中に…」
そしてバースは鏡の中に身体を滑り込ませた。
< 79 / 168 >

この作品をシェア

pagetop