7days
「まさか“あの子”の家?」
随分と他人行儀な言い方にイラついた。名前も出さない。拒絶するような言い方に。
あの子が誰と訊かなくても分かる。気づいていないふりをしようとしたけれど、わざわざ墓穴を掘るようなことをする必要はない。
「違う」
「そう。なら良いけど」
“あの子”の家じゃなかったらどうなんだ?
あの日から母さんはピリピリし始めた。父さんもだけど母さんの方がひどい。
知らない年配の男女に謝罪と礼を言われ、それが殺人者の祖父母かもしれない。
関わりたくない。心の声が聞こえてくるようだった。慈愛に満ちた表情をして“早くお孫さんが見つかると良いですね”なんて言って。
大きな嘘。