7days




「出た……」



「……出ました」




やっぱり彼だった。




「電源切ってるかと思った。コールした時はびっくりしたよ」



「ああ、リュウくんに電源入れとけって言われたんです。連絡するからって」



「従兄さん?帰ったの?」



「はい。あまりいてもらっちゃ申し訳ないし」



「そっか」



今日リュウくんと叔父さん達は自宅に帰った。



休日にまた来るからと言ってくれた。



わざわざ他県から休日のたびに来てもらうのは忍びなくて断ったら、毎日連絡するから携帯電話の電源を入れておけと言われた。



リュウくんは自宅に戻ってからすぐに電話をくれて、一緒に乗っていた叔母さんが途中車酔いをしたとか本当にたわいもない話をした。



電話の向こうからは、私を元気づけようと試行錯誤しているのが伝わってきた。



それをリュウくんにやらせてしまっていることは、本当に申し訳ないと思った。けれどそれよりも嬉しさが大きさかった。



笑って良いんだ、と思った。




< 109 / 310 >

この作品をシェア

pagetop