7days
強い紺色
「レイは分からないだろうけどね…」
その言葉から始まった。
「かなり大きく報道されたんだ」
タツキさんと私は一緒におじいちゃん家に来た。タツキさんは、おじいちゃん達に挨拶をして、今は私の部屋にいる。
「それは知ってます」
新聞にはでかでかと載っていたし。ワイドショーも放ってはおかないネタだろう。
「事件の概要は?」
そう訊かれると全く分からないことに気づく。私は焦りながら首を振った。
タツキさんが、書くものはあるか?と言ったので私はメモ帳を渡した。
「死亡推定時刻は午後8時から10時」
「そんなに早いんですか!?」
あの時は時間なんて気にしていなかった。
「そう。それでレイが帰ったのが10時半ごろ。その間、騒ぎ声とかは聞こえなかったらしい」
「え?」
「――おかしいんだ」
お父さんとお母さん。そしてお兄ちゃんは助けを求めなかったの?
大声で叫べば少なくともお隣さんには聞こえたはず。
「それで俺は“顔見知り”じゃないかって思ったんだ」