7days
「タツキさん…」
彼の手を強く握った。両手で強く握り彼の正面に立つ。
「私は貴方に感謝してます」
私は微笑む。彼は驚いた顔のまま。
「兄が犯人かもしれない。そう言われている妹の私から離れないでいてくれる」
「当たり前でしょ」
「……」
当然だろ?と言いたげな顔をしているタツキさん。それが当たり前じゃないことを私は知っている。
彼が別れるって言ったら全てが終わるのに、それを言わない。
高校生の恋愛なんてちっぽけなものなのに。
タツキさんはそれを信じている。私に精一杯の愛をくれる。
その愛に甘えてもバチは当たらないよね。