7days




「タツキさん…」



彼の手を強く握った。両手で強く握り彼の正面に立つ。




「私は貴方に感謝してます」



私は微笑む。彼は驚いた顔のまま。



「兄が犯人かもしれない。そう言われている妹の私から離れないでいてくれる」



「当たり前でしょ」



「……」



当然だろ?と言いたげな顔をしているタツキさん。それが当たり前じゃないことを私は知っている。



彼が別れるって言ったら全てが終わるのに、それを言わない。



高校生の恋愛なんてちっぽけなものなのに。



タツキさんはそれを信じている。私に精一杯の愛をくれる。




その愛に甘えてもバチは当たらないよね。






< 157 / 310 >

この作品をシェア

pagetop