7days
「あれじゃない?」
PM01:00
人混みをかき分け駅前に行けば、そこには真吾と女の人がいた。
女の人にしては高い身長に綺麗なロングの髪。少し切れ目がちの瞳。白い肌に高い鼻、薄い唇。
綺麗な人。私でも憧れる。ガラス細工みたいな一度目を奪われたら中々離せない人。
その人は私を見ると軽く会釈をして、どこか切なそうに微笑んだ。
まさか女の人だとは思わなかった。そりゃお兄ちゃんには、彼女がいたっておかしくはないけど。
真吾の案内で駅ビルの喫茶店に入る。
その間、一言も言葉を交わさなかった。
私も多分向こうも何て言えば分からなかったんだと思う。
私はずっとタツキさんの服の袖を掴んでいた。