7days




席についても彼女は下を向いたままで。彼女がどこ誰だか知らない私が、どう話を進めれば良いのか分からず…。



助けを求めるように真吾を見れば、私の訴えに気づいたように軽く頷いた。



「あー、えっと。こいつ櫻井。櫻井とコウタとは高校が一緒で」



―――櫻井さん



お兄ちゃんの高校からの知り合い。いや、2人の様子を見ていると中学、小学校からの知り合いだったのかなあ。それだと私が知っていてもおかしくはないけど。



真吾が櫻井さんの腕を肘でトントンと叩き、喋れと促すように顎を軽くつき出した。



「櫻井です」



そして深く頭を下げた。



私も自己紹介をしようとしたら、既に櫻井さんは私の名前を知っていた。



真吾から聞いたのかと思ったけど、お兄ちゃんから聞いていたらしい。







< 162 / 310 >

この作品をシェア

pagetop