7days
席についても彼女は下を向いたままで。彼女がどこ誰だか知らない私が、どう話を進めれば良いのか分からず…。
助けを求めるように真吾を見れば、私の訴えに気づいたように軽く頷いた。
「あー、えっと。こいつ櫻井。櫻井とコウタとは高校が一緒で」
―――櫻井さん
お兄ちゃんの高校からの知り合い。いや、2人の様子を見ていると中学、小学校からの知り合いだったのかなあ。それだと私が知っていてもおかしくはないけど。
真吾が櫻井さんの腕を肘でトントンと叩き、喋れと促すように顎を軽くつき出した。
「櫻井です」
そして深く頭を下げた。
私も自己紹介をしようとしたら、既に櫻井さんは私の名前を知っていた。
真吾から聞いたのかと思ったけど、お兄ちゃんから聞いていたらしい。