7days





角を曲がり、レイの通っている学校へ向かう。



いや、向かおうとした。



「――――…っ!」



瞬間、小さな子供が飛び出してきて。



「うあああ!」



男の子と俺はお互いに尻もちをつく。自転車のタイヤ音と男の子の泣き声と子供達の騒がしい声が響く。




そうだ。ここは公園だ。園から出てきたところで、俺とぶつかったらしい。大声で泣き叫ぶ子供。



立ち上がり男の子に声をかけるけど、男の子はそれを無視し泣きながら走り去っていった。



悪いことした。何も見ていなかった。レイのことだけ考えていた。



公園を見れば、まだ午前中だというのに沢山の子供が遊んでいる。春休みだからか。その中には母親や父親も混じっている。これを見たら、レイはどう思うんだろう。そんなことを思った。




―――――その中に見知った姿を見つけた。



ブランコの隣のベンチに座ってずっと手元を見ている女の子。綺麗なロングの黒髪に際立っている白い肌。華奢な身体。



ああ、ここにいたのか。



俺は彼女の元に走り出した。




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