7days
「別れたんだって?」
一気に心臓が重くなる。ぎゅっと握り締められる感じがした。
一体私はどんな顔をしたんだろうか。問い詰めるようなキツい雰囲気だったのが、一瞬にして優しいものに変わった。
何も言えなくて。私はずっと黙ったまま。
「好きなのに別れたんだ」
リュウくんは、私が何も言わなくても分かってしまうらしい。
「うん。タツキさんのこと好き。大好き」
私がそう言うとリュウくんは、クスクスと何かを思い出すように笑った。
「アイツ死にそうな声で電話してきたよ。電話の向こうで泣いてたんじゃない?」
タツキさんにも苦しい思いをさせてしまったんだなあ。私の一言で。申し訳ない。
けれど、心の隅では仕方ないと思っていた。これで良いんだ。タツキさんの為にも。タツキさんのお母さん、家族の為にも。
「ふふ、思い出すだけでも笑える」
リュウくんは確実にSだ。
「何で別れたか訊かないの?」
「訊かないよ、レイにとって一番辛いことをしたんだろう。レイの意思じゃないんだろう。それなのにレイに訊くという酷なことはしない」