7days
―――アキさん
「これ私のお気に入りだったんだけどな」
アキさんは私から紙袋を受け取り、中にあるワンピースとカーディガンを確認するかのように見た。
「ごめんなさい」
洗濯する時に気づいた。ワンピースもカーディガンも人気有名ブランドのものだった。それもかなり値の高い。
「謝ることないよ。下條が勝手に何も知らない貴女に貸したんじゃない。貴女は悪くないわ」
愛らしい、可愛い笑顔のアキさん。優しい人なんだな。
「わざわざクリーニングまでしてくれてありがとうね。これを返しに来てくれたんでしょ?それじゃあ」
アキさんは甘い匂いを漂わせ私達の横を通り過ぎる。一瞬、その匂いに気をとられる。けれど、このままアキさんに帰ってもらっちゃ困る。
「アキさん!」
大声で彼女の名前を呼んだ。