7days
焦る八神さんから私は目をそらさない。
「八神さん、以前ご近所付き合いは面倒だからしてないって言ってましたよね」
客に対しての1対1の付き合いは商売だから何とも思わないと言っていた。
ただ、近所や商店街やお店の付き合いは違うとも言っていた。集まれば、あの客はどーだとかこーだとかの悪口を聴かされる。
反対の意見を出せば、それが自分に向かってくる。いい年した大人の集まりなのに、まるで子供と話しているようだ。
そう愚痴を溢していた。そんな人が噂でお兄ちゃんの名前を知るはずがない。
「八神さん」
八神さんの額に汗が滲んでいる。微かに手が震えている。私とは目を合わせず一点を見つめている。
―――この人は知っている
ここで怯んじゃいけない。