7days
「俺はレイと別れる気はないよ」
――張り詰めていたものが切れた
「……っほんと?」
クスッと笑い声が聞こえ、あやすように背中を叩かれる。
「本当。俺ってそんな安い男に見える?」
「……」
タツキさんは私と別れても直ぐに良い人を見つけるだろう。彼が女ったらしってわけじゃなくて、周りが放っておかないはずだ。
「何か言ってよ」
こんな素敵な人と付き合えているなんて奇跡のようなものだ。この奇跡がずっと続いてほしい。
「離れていかないで」
「うん。離れない」
「私のこと愛想尽かしたらもう良いからっ!でも!でもっ!……お兄ちゃんのことで離れないで?お兄ちゃんのことで別れないで」
「なにそれ。レイの兄貴のこと抜きにしても俺はレイと別れないよ」
「っ……うっ…」
ああ、私嫌な女だ。
嬉しいと思っている。
でも自分に嘘をつきたくない。この人が欲しい。大好きなんだ。