7days
その言葉にタツキさんがピクッと反応する。焦った顔をする。
おかしいよ。おかしい。お兄ちゃんが犯人じゃないのなら確実に第三者がいる。
お父さんとお母さんを殺した犯人がいるはずだ。
「ヤバくないか?」
私の顔をチラッと見て様子を伺ってくる。何か言いにくいこと?
「何がですか?」
「真犯人が兄貴を連れ去った――ってことは考えられないか?」
「え?」
言葉が出ない。急に風が吹き、それが窓を叩く。その音だけが不気味に響いた。
「自分が捕まらない為に。レイの兄貴を連れ去って時間稼ぎをしているんじゃないか?」
そしたら。私だったら。普通だったら。
時間稼ぎを生かしておくわけない。