7days
「八神さん。俺もう」
「ああ。そうだな。ごめん。でもレイちゃんに会ったら早くコウタくん見つかると良いねって。それと、気にしなくて良いから出来れば続けて欲しいなって伝えて。」
―――続けられるわけないだろ
八神さんの言ったことには頷いたけど内心はそう思った。身体的にも精神的にも不安定なレイにバイトを続けて欲しいってずいぶん酷だと思う。
とりあえずはバイトに専念しよう。
注文表をポケットに入れてホールに向かった。
「八神さん。二階からすごい物音するんですけど」
すれ違い様、新しく入ったバイトの男の子が八神さんに面倒くさそうに言った。
「俺、猫飼い始めたんだ」
嬉しそうに語る八神さん。この喫茶店は八神さんの店舗兼住宅だ。
二階が八神さんの居住スペースとなっている。
「猫?へぇ。八神さん猫嫌いって言ってましたよね?ねぇタツキさん」
「あ、うん。言ってた」