【短編】心のドア
今日も教習のキャンセルで予約が取れた。

でも今日は麗とデートの約束しとった。

でも・・・やっぱ早く免許取りたいねんな。


メールを入れてキャンセルをすると、突然目の前に麗が来た。



「雄輔もうわたし耐えれんから。女の子と遊びたいなら彼女なんて作ったらあかんやろ。もうわたしキツイわ。別れて。」



なんやねんそれ。

女の子と遊びたい?

お前以外と遊びたくなんてないわ。

俺やってキツイわ。

お前と会えへんの。


俺が免許取り行ってて遊べんってこと知ってる達樹と大樹は俺を心配そうに見とった。

そんな目で見んなよ。イラつくわほんま。



「ええよ。別れよ。」


精一杯の強がりやった。

ええわけないやん。

別れるなんて絶対嫌なんやけど。

一緒におりたいがために免許取り行ったり、金稼ぎ頑張ったり、今までの俺では絶対ありえへんことなんやけど。

でも麗は・・・


「付き合ってるようなこと1つもしとらんし、わたし彼氏おらんかったことにするわ。バイバイ。」


俺の付き合ってたことすら消す言うとった。


心臓をギュッとされた気がした。

押し潰されたような感触やな。

胸が痛いって初めて感じた。

今まで女に冷たい言われて去っていかれとったときはなんともなかったのに。

これがほんまに好きになったんやなってことに今さら気付いた。


でも追いかけることすら出来んやった。

放心状態で。
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