【短編】心のドア
「別れようって雄輔も言うたやん。」

それは麗が言うたからやろ。

麗が言わんかったら俺やって言うてへんわ。

でも言ってしもたんはしょうがないやん・・・。


「そやな。」

俺は嫌やって言えばいいんに俺は認めてしまった。

認めるなんて絶対ごめんなのに。

なんでこんな俺はプライド守るんやろ。


「カラオケ行くんやろ?はよ行き。」


なんのことやねん、カラオケて。

行くわけないやん。

今から教習やって。

意味わからんわ。

でももう・・・いいわ。

麗が別れたいんやもんな。

麗のためやもんな。


「・・そやな。なら気ーつけて帰れよ。」


これが最後なんてほんま嫌やった。

ずっと一緒におろうて思っとったのに。

麗にあげるプレゼントやって決めとって、それのために頑張っとったのに。


終わりってあっけないもんやなって思った。


ほんまは先に麗に歩いて行ってほしかったけどそんなことしたら後ろから抱きしめてしまうかもしれへんから俺が先に去った。

最悪や、ほんまに今日は。
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