【短編】心のドア
それから麗に久しぶりに電話をかけた。

でも聞こえたのは”プープー”という話し中の音。

誰かと電話してるんか?

今の放送、大体聞いてたんやろか??

聞いてへんやったら俺、大恥やな。


笑いそうになった。

1人で笑いそうなんて変人やな。


もう一度麗に電話をかけた。

でも次は繋がった。

冷たいコール音は3回くらい聞こえその後は久々に俺にだけに話す麗の声。



「なぁ、どういうことなん!?わたしに興味なんてなかったんちゃうん??」

動揺しとるのがまるわかりやった。

ってなんやねん、わたしに興味なかったんちゃうん?って・・。

それやったら付き合うわけないやろ。

興味ありまくりやっちゅうねん。


「興味なかったら告白なんてせんやろ。麗、今どこ?」


「今は1-2でたこ焼き食べてるけど・・。」


その瞬間俺は電話を切った。

そして走り出した。

すぐそこやん、1-2。

かっこわりぃなぁ・・。

俺らしくねぇなぁ・・・。

でも・・これが本当の俺やねんな。


自分で悲しくなった。


そして麗の座ってる後ろ姿を見た瞬間もう止められんやった。

抱きしめとった。

久々に香る麗の香水。

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