【短編】心のドア
「麗・・もう別れ!!辛いやろ?だいたい周りに気付かれんカップルなんておかしいで!?雄輔くん、彼女おるって言ってへんのかわからんけどいつも女に囲まれとるやん。別れ!!」


相手にはしてないけど雄輔はいつも女の子の中心にいる。

キャーキャー言われて嬉しいんやろうな。

あんま相手にはしてないみたいやけどわたしには体験したことないし、わからんわ。


「う~・・ん。そうやなぁ、もっと辛くなるうち別れたほうがええよな・・。」


「わたしはそう思うけどな。麗ならもっといい男見つかる思うし。つーか麗のこと好きな男結構おるし、選べばええやん。」


「そんな男、おるわけないやろー。」


「それがおるんやって♪もう思い立ったら吉日や!!言うておいで!!今すぐ!!」


昼休みも残りがまだ20分。

いけるな。

でも女の子に囲まれとったら話しかけにくいな・・。

その子ら、雄輔とわたしが付き合ってるの知らんやろうし、絶対睨まれるやん。

廊下ですれ違っても雄輔、目も合わしてくれんし何で付き合おうなんて言うたんやろか。

罰ゲームだったんかな??

それだったら・・・ムカつく!!


「そやな!よし、言うてくるわ!!皐月、わたしはやるときゃやるで!!」


この言葉に皐月も笑顔で


「よっしゃ!行ってこい!!」


とテンションが上がっとった。


そして教室を出て雄輔のクラスに行くのはええけど・・・何て言うかも決めとらんし、言えるかどうか近づくにつれ足取りは重くなってきた。


そして目の前に来てしまった、雄輔の2-3のクラス。

そしてその中にある大きな集団。


雄輔とその友達がきっとあの中におるんやろな。

あの女の子の壁の中に。
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