【短編】心のドア


教室へ戻ると皐月がすごく褒めてくれた。

やっぱり間違ってなかったんよね??


自分に言い聞かせた。



そして放課後、もちろん皐月は哲哉くんと帰って行くわけでわたしはいつものように誰かと一緒に下に行こうと思ったけどあんまり仲のいい子もおらんし今日は1人で行った。

途中で雄輔のまわりにおった女の子らと会って睨まれたけどまたシカトしとった。

もう終わったことやし、わたしには関係ないんよ。


でもなんやろう。

胸がすっごく痛くて。

喪失感ってこんなんなんやな。

泣きそうなのを一生懸命こらえとった。

初めて彼氏と一緒に誕生日とクリスマスイブを祝える思ったのにな。

わたしの誕生日はクリスマスイブやから。

しかも相手が雄輔だなんて・・・。

わたしにはやっぱりありえんことやったんや。

早く慣れなあかんな。


ずっと思いつくのは雄輔のことばっか。

フッたくせに絶対雄輔より傷ついとるやん。

ほんまバカやな。



靴を履き替えようとしたらわたしの靴がなかった。

幼稚ないじめ。

女の子らやろか??

スリッパで帰れってこと?

最悪やん。


そう思ってそのまま玄関を出たときやった。


目の前に靴が投げられた。

転がる靴が来た方向を見るとそこには雄輔がおった。
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