【短編】心のドア
それから数日。

もちろんだけど雄輔から連絡は全然ない。

もちろんしてもない。

変わったのは彼氏と呼んでいい人がいないだけ。

でも生活は全然変わらん。

付き合わんやったらこんな苦しい思いはせんでよかったのにわたしはまだ心が痛かった。

初恋のようなもんやったから。

舞い上がってただけやったんやろうけどな。

あんなかっこいい彼氏が出来たってことで。


「麗、麗!!哲哉からお願いされとるんやけどな、哲哉の友達の桜井くんが、あんたのメルアド知りたいらしいんよ。桜井くん、顔やってええほうだし性格もええ人らしいで。教えていいやろ?」

桜井くん?

誰やねん、それ。

でも連絡取ってる人がおると少しは満たされるかもしれんな。


「ええよ。」


「じゃ哲哉にメールしよっ♪」


そう言うとポケットからストラップのいっぱいついた携帯を取り出して皐月はメールしてた。

それを見ながら桜井くん・・・桜井くん・・・と思い出そうとしたけど全然出てこんやった。

それどころか出てきたのは何故か雄輔の笑顔だった。

ほんま未練タラタラでどうしようもないな。って自分ですっごい思った。


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