【短編】心のドア
数時間後、ほんまに知らんアドレスからメールが来た。

丁寧にタイトルに【桜井です。】って入っとる。

【哲哉にアドレス聞きました。2組の桜井修です。おさむって呼ばれとるんでおさむって呼んでな。今度哲哉たちと4人で遊び行きません?】


いきなりのお誘いに驚いたけど楽しいかもなって思った。

皐月らがおるんやったら間違いなく楽しいし。


【ええよ。行こう。おさむくんの顔あとから見に行くわ。わたしも麗って呼んでええよ。】


そう返事するとまた返って来て、送って、返って来ての繰り返しを授業中ずっとしよった。


そして休み時間に皐月と一緒に2組に行って桜井くんの顔を見に行った。

皐月は知っててもわたしは知らんし。

そして皐月の


「あれやで。」


と指差す先にはほんまにかっこよさげで見とるのに気付いたらしくこっちのほうに歩いてきた。

冷やかしてくる皐月をちょっと睨んだとき


「ほんまにきたんや。」

と照れながらわたしにおさむくんは言った。

何話してええのかまだわからんし簡単に


「来る言うたやん。ならまた。」


そう言ってその場を離れた。


「メールまたするわ。返事してな。」

と後ろから聞こえたから振り向いて首を縦に動かした。


「よさげな人やろ??」


ニヤけてる皐月をまた照れながら肘で突っついた。
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