bitter×sweetな恋ゴコロ
「“彼女”ができたら、私のなんていらなくなるでしょ?」
もらうほうが不自然だ。
「えー…まあ、そりゃそうだろうけど…」
なぜか口ごもるハジメ。
私は気にせずに続けた。
「心配しなくても、ハジメが必要としてる間はあげるから。ちょうど私もいい練習になるし。」
「……れんしゅー?」
「うん。“好きな人”にあげる練習。」
まあ、いつになるかはわからないけどさ。
「……」
明るく言った私の言葉に、なぜかハジメは眉を寄せて黙り込んでしまった。
……どうした?
今日は様子が変だ。
何かあった?
考えを巡らせていた私に、
「じゃあさー、俺ってもしかして“練習台”?」
いつもの、間の抜けたハジメの声が聞こえてきた。
「うん。そう。」
ほっとして頷けば、
「えーっ。ひっどいなぁ。」
不満気に口を尖らせるハジメ。
「でも、まぁいいや。引き受けてあげるよ。でも、その代わり…」