bitter×sweetな恋ゴコロ
「アヤ!ちょっとそれ、間違えてるよ!」
ユカリの声にハッとする。
いけない。
昨夜のことがなかなか頭から離れてくれなくて……
今日は、朝からずっとボーッとしている。
何せ久しぶりだったから。完全に油断してた。
大丈夫だと思ってたのに。
“カンチガイ”だ、って。
“気の迷いだ”って思えてたのに。
こんな気持ち、忘れそうになってたのに……
ダメだ……
すっかりぶり返してしまった。
「アヤはこっちでしょ?」
ユカリは私が持っていた商品を奪って、さっさと棚に戻してしまった。
「え……?」
ゆっくりと状況を思い出す。
今は放課後。
親友のユカリと一緒に買い物に来てて……
選んでいたのは……
「さっきのはビターだよ?ハジメくんには、こっちでしょ?」
ニコニコ笑いながら、ユカリが差し出したのは、製菓用のミルクチョコレート。
「ちなみに私は、白とピンクで行くことにした。」