bitter×sweetな恋ゴコロ
「えぇーっ?なんで?」
案の定、ユカリはびっくりしている。
「まさか、向こうに“彼女”できちゃった?うわぁーっ…ついに、悪い女に騙されたのかぁ…」
何やらぶつぶつ言って、頭を抱えてちゃったし。
「やっぱり、学校違うのは痛いよねぇ。見張っておけないからね」
どうやらひどくカンチガイをしているみたいだ。
「あれで意外に頑固だから、大丈夫だと思ったんだけどなあ…」
ユカリはハジメとも仲がいいから、何か思うところがあるのかもしれないけど……
「違うよ。私のほう。」
「へっ?」
そんなユカリを見かねて、私は口を開いた。
「“好きな人”ができたのは私。だから、ハジメにはもうあげない。」
「はっ?好きな人って…あんたが好きなのは…」
「これからできる予定なの。“好きな人”が。」
ユカリの言葉を遮って、私は続ける。
「だから、もう“練習”はおしまい。」
まるで自分に言い聞かせるみたいに―――