bitter×sweetな恋ゴコロ
01*幼なじみ
「……なんでいるの?」
ドアを開けるなり、目に飛び込んできた光景に唖然とする。
私、さっき玄関を開けて入ってきた…よね?
思わず手元の鍵を確認してしまった。
家中真っ暗だから、両親もまだ帰ってきていないはず。
一体、コイツはどうやって入ってきたんだ?
首をひねりながらも、私の足はまっすぐにベッドに向かう。
「ちょっと!」
ガバッと布団を引き剥がせば、
「……んー?」
中にいた大きな塊は、小さく声をもらした。
「なに我が物顔で人のベッドを占領してんのよ。」
どけ、と言わんばかりに引っ張ってみるも、さすがにビクともしない。
「んー…?あー…アヤだ。おかえり~っ」
寝ぼけまなこが私の姿を捉えたらしく、目をこすりながらもヘラッとした笑顔を向けた。
……一瞬にして、怒る気が失せてしまう程の“脱力”ぶり。
「遅かったねー。待ちくたびれて、思わず眠っちゃったよ」
ムクッと起き上がって、大きなあくびをしながら、ハジメはぽつりと呟いた。