bitter×sweetな恋ゴコロ



あの時、ハジメが無邪気に持ち出してきたのは、

あり得ないような“交換条件”だった。





―――…………

――……



「その代わり、アヤも俺に“練習”させてくれる?」


まるでおねだりをする子供のように、期待に満ちた瞳で私を見つめるハジメ。


「何を?」


昔からこれに弱いんだよなぁ…なんて思いつつも、素っ気なく聞き返せば、


「俺に“彼女”ができたときの練習。」

「はっ?」


とんでもない答えが返ってきた。

何言ってるの?

正直、すぐには意味が理解できなかった。

ぼかーんとしている私に気づいたのか、すぐにハジメの解説が始まった。


「なんて言うか…“女の子の扱い方”っていうの?微妙な“女心”とか…?」


なんだそりゃ。
ますますわからない。


「具体的に言うと、“つき合い方”?例えば…デートの仕方とか。こう、シミュレーションしておきたいって言うか…」


……言ってる本人も、実はよくわかってないんじゃないの?

かなり、アバウトだ。

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