bitter×sweetな恋ゴコロ



「とにかく、“彼女”ができる前に慣れておきたいんだよ。やっぱり、初心者丸出しじゃ恥ずかしいでしょ?男として、さ。」


ふぅん……
なんとなく、わかってきた。

一応、人並みに考えてはいるわけね。

ハジメもやっと、“彼女”とか、興味を持つ年頃になったのか。

しみじみ思った。

でも、それとこれとは話は別だ。

だからって、何で私がそれにつき合わなくちゃいけないわけ?


「そんなの、他の子には頼めないじゃん?かと言って、いきなり実践して失敗してフラれるのも嫌だし…」


まるで私の心を読み取ったかのように言うと、眉を下げて弱々しく微笑んだ。

捨てられた仔犬みたいな…この顔にも、私は弱いんだよなぁ。

……いやいや。ここで甘やかしたらいけない。

こんなめちゃくちゃな要求を飲んだらダメだ。

そう思うのに……


「ね?いいでしょ?」


甘えるようなねだるような、ハジメお得意の上目使い。


「アヤが協力してくれたら、うまく行く気がする。」


そして、100%の信頼。

揺らぐんだよなぁ……


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