bitter×sweetな恋ゴコロ
すごくドキドキした。
嘘をついていることに対する罪悪感と、それがバレてしまうんじゃないかっていう不安……
何より、ハジメは一体どんな反応をするんだろう?
ハジメが言葉を発するまでの数分間が、ものすごく長く感じられた。
耐えきれなくなってきて、思わず両手をぎゅっと握りしめた、そんな時……
「……そっか。」
聞こえてきたのは、いつもの声。
「じゃあ、仕方ないよね。」
がっかりするでも怒るでもなく、のんびりした調子で言うと、
「残念だけど、我慢するよ」
ハジメはにこっと笑った。
拍子抜けするくらい、普通だった。
「安心して?俺も男だ。“約束”はちゃんと守るから。」
テーブルに散乱していた材料を拾い集めて、もとの袋に戻すと、
「ハイ。これじゃ、味見もしてあげられないけど…頑張ってね。うまくできるといーね。」
それを私に差し出した。
無邪気な笑顔。
あー…そっか。
そうだよね?
私は、何を期待してたんだろう―――?