bitter×sweetな恋ゴコロ
04*バレンタイン
そして、
あっという間にバレンタイン当日―――
あの日以来、私はハジメと顔を合わせていない。
向こうも、パッタリと姿を見せなくなった。
それは、“気まずい”とか、そういうんじゃなくて……
「……やっと、治ったかな?」
体温計が示す温度を確認して、私は安堵のため息をついた。
時計を見れば、もうお昼をとっくに過ぎている。
なんか、お腹がすいたような気がする。
喉も渇いたし……
のっそりと起き上がって、キッチンを目指す。
ずっと寝てたせいでフラフラするけど…すぐに直るよね?
……そう。
あの日から、約1週間。
見事に風邪をひいた私は、ずっと寝込んでいた。
こんなに長引いたのは久しぶりだ。
お母さんの話だと、今年の風邪はこんなもんなんだとか。
高熱というには大げさな微熱より少し高めの熱が出て、それがずっと続く。
まさに、流行りに乗ってしまった私。
おかげで学校まで休むことになっちゃったし。
何より、
こんなに間が開いてしまったせいで、ますますハジメに会いずらくなってしまった。