bitter×sweetな恋ゴコロ
「さーて。そろそろいいかな?」
呆然と立ち尽くす私を横目に、すぐにいつもの笑顔に戻ったハジメ。
くるっと背を向けると、ぐつぐつ言い始めた鍋のほうへと向かった。
……一体、何?何なわけ?
この前のことと言い……
こんなに私を動揺させて…ハジメは何がしたいの?
慣れた様子でキッチンに立つ、その背中を見つめながら考えた。
私、何かした?
なんで、こんなに急に豹変するわけ?
まるで別人。
ずっと一緒にいたのに……
こんなハジメ、私は知らない。
「ハイ、どーぞ。」
気がつけば、テーブルの上に用意されたお椀。
ほわほわと湯気が立っている。
「とりあえず、座ったら?」
言いながら、椅子を引くハジメ。
さすがに立っているのがキツくなってきていた私は、促されるがまま素直にそこに腰を下ろした。
はぁーっ…。
座るなり、思わず安堵のため息がもれた。
「その様子じゃ…今日は出掛けられないね?」