bitter×sweetな恋ゴコロ
「俺、何気に得意だよ?特に“隠し味”とか。バレないように、いろいろ入れたりするの。」
チョコの材料を用意する私の横で、調味料の棚を物色するハジメ。
醤油やらタバスコやら…明らかに関係のないものに手を伸ばしている。
無邪気にやってるけど、冗談なんだか本気なんだかわからない。
見れば、いつのまにか味噌や辛子、マヨネーズ…なんてのも持ち出してきたようだ。
……まったく。
「……何入れてもいいけど、ちゃんと全部食べてよね。」
「えー?何を?」
全部並べてご満悦なのか、ニコニコしながらこっちを向いたハジメ。
当然、私の言葉の意味なんてコイツにわかるはずがない。
「だから、このチョコレート。出来たら、責任持って残さず食べなさいよ?」
チョコの包みを開けながら、ハジメのほうを見ないで続ける。
「これ、ハジメのなんだからね」