bitter×sweetな恋ゴコロ
「……えっ?」
顔を見なくても、ハジメが驚いていることくらいわかる。
「なんで?だって、これは“好きな人”にあげるやつでしょ?…って、え?」
かなり狼狽えているらしく、手に持っていたものがポロリと落ちた。
……って、なんで鰹節?
何を作る気だよ、こいつは。
呆れながらも、仕方ないので拾ってやった。
「もしかして、“情け”をかけてる?だったら別にいらないよ?言ったじゃん。俺、別にチョコが好きなわけじゃないって……」
必死なハジメがなんだか可笑しい。
やっぱり、私の気持ちなんてちっともわかってないんだなぁ。
「あ…まさか、今までの復讐に風邪をうつそうとか思ってる?そっか。だから“好きな人”には買ったのをあげる気だね?」
想像力が豊かだねぇ。
「あっ!わかった。“手切れ金”ならぬ“手切れチョコ”だ!甘いな。こんなんじゃ、俺は絶対に離れてやらないから…んんっ?」
「……ちょっと静かにしてて。」