bitter×sweetな恋ゴコロ
「……っ」
よし、成功。
一瞬にして静かになった。
口元を押さえながら、私を見つめるハジメの目は潤んでいる。
ふんっ。ざまーみろ。
「アヤ…ひどいよぉ」
しばらくして、わずかに口をモゴモゴさせながら、ハジメは情けない声を上げた。
「俺、これは好きとか嫌いとか以前に、体が受けつけないんだってば…」
言いながら、私の手元を忌々しく見つめた。
そこにあるのは、刻みかけのビターチョコレート。
「知ってるくせに、食べさせるなんて…」
そう。私はさっき、これをハジメの口に放り込んだんだ。
かなり大きめの塊、を。
「この前は、ずいぶん美味しそうに食べてたじゃない?」
嫌味をこめて言ってやれば、
「それはだって、アヤが……!あの食べ方なら、ちゃんと食べれるよ?」
途端に、目をキラキラさせて顔を近づけてきやがった。
すかさず、それをバシッと振り払う。
「普通に、食べられるようになってくれる?」