bitter×sweetな恋ゴコロ
「うーっ…」
小さく唸りながら、どうやら葛藤している様子。
そんなに食べたいの?
食べられないんだから、諦めろっての。
まったく…。昔から、何でも私と一緒じゃないと気がすまないんだよね。
「アヤがやってるの見たらやりたくなった」
とか、
「アヤが食べてると美味しそうに見える」
とか……
なんでも真似してやってみる。
ピアノやバレエを始めては見事に挫折し、女の子の遊びに混ざっては冷ややかな扱いを受け…
無理して嫌いな食べ物を口にしては、お腹は壊すわ、倒れるわ。
その度になぜか私が怒られて…はっきり言って、迷惑極まりなかった。
でもそれは、成長した今でも変わらなくて。
「もしかしたら、食べれるようになったかも。」
ポジティブな結論に至ったらしく、再びチョコに手を伸ばしてくるハジメ。
「だから、試しに1個ちょうだい?」